イングランド敗北と中田引退

タイトル通り、イングランドは敗北した。
正直な話、日本が負けたときなどとは比べようもないショックを受けた。
ランパードはフリーのシュートを悉く外してくれるし、ベッカムは負傷交代、ルーニーの一発退場劇……。そして、PKではランパード、ジェラード、キャラガーという主要メンバー3人が悉く外す始末。底知れぬ体力で奮闘し続けたハーグリーブスやCロナウドに突破・クロスを許さず、無失点を通した堅固なDF陣の頑張りに涙が出るくらいに……。
デコとフィーゴがいないとCロナウド以外、ほとんど何もできなくなるポルトガルに対し、ベッカムオーウェンルーニーがいない上にランパードやジェラードが明らかに不調でもこんなに頑張れるイングランドにやはり勝って欲しかった。
……が、裏を返せば、フィーゴが交代する前の前半でアレほどピンチだったのだから、デコが出場していれば、前半の内に決められていてもおかしくはなかった。
デコが出ているかどうかでチームが変わる……というようなことまで言われるポルトガルだが、やはりデコ、フィーゴが揃ったポルトガルは強いかもしれない。そして彼らがいるからこそ、Cロナウドも力を十分に発揮できるというものかもしれない。
むしろ、デコのいないポルトガルにすら勝てなかった現在のイングランド(個々の選手は優秀でも組織的に機能していない)はベスト4に残るだけの力がなかった……ということなのかもしれない。組織的に機能していれば……というのも、敗北してしまってはただの言い訳にすぎない。
非常に悔しいが、やはり負けは負け。ワールドカップは本当に強いモノ(肉体、技術、精神などなど)が勝ち残れる……ただそれだけのことなのだろう。
ルーニーがこの敗北から自分の退場のミスを悔い改め、単純な力だけでなく精神的に一枚も二枚も成長して、4年後に衝撃を巻き起こしてくれることに期待したい。



……で、もう一つ。
イングランド敗北ほどじゃない……かもしれないが、中田の引退発表には流石にショックを受けた。
しかも、今までの噂だと「代表引退」という形だったのに、「現役引退」という衝撃的な発表。
今回のワールドカップでは、ある意味「孤軍奮闘」の形で頑張っていた中田。個人的には、中田がボランチにいてこそ日本の守備陣と中盤がなんとか機能していたんだということが、ブラジル戦を見てはっきりと分かった。逆に言えば、中田がボランチではなく、トップ下などの攻撃的な位置に回ると、中盤より下はまるでガタガタ。実際はだいぶ異なるが、ある意味上記のデコと同じようなチームの中での役割を果たしていたのが中田だったのかもしれない。
なので、4年後の代表では……というのならまだ仕方がないが、あれほどの活躍をしたばかりの彼が現役引退というのは誰が見たって「勿体無い」と思うだろう。


だが、中田自身、この現役引退を既に考えていたからこそ、ブラジル戦敗北直後、フィールド上で倒れたまま動くことができなかった……最後の試合がいくらブラジルとは言え、大敗で終わってしまったことが何よりも悔しかったのだと窺える。
ならば辞めなければいい……のかもしれないが、それはそれ。覚悟の上での苦渋の決断だったのだろうから、辞めるな……とは安易に言えない。無論、ショックではあるが。